![]() パステル オービット |
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ゲームプログラマが語る。PS3からPS4へ、画質や処理速度だけじゃない大切な変化
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![]() 厳しい寒さが漸くなりを潜め、新しい季節の頭に洗車でもと勢い勇んでみれば大雨。 そろそろ、惑星規模での天候管理システムの開発が望まれるこの星ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 最近は、すっかりダークソウル2の虜。日々のちょっとした合間にも、地道に元気に死にまくっているTeamDyquemで御座います。皆様こんにちは。 ![]() 日本でも漸く発売となったPS4。その圧倒的なポテンシャルについは各メディアにてのべつ幕なし語られている事と思いますが、グラフィックが綺麗になった、処理速度が上がったメモリが8GBだのと、スペック的な事をつらつらと連ねられても、一般消費者にとってみれば何の事やらというところでしょう。 海外ではともかく、国内においては未だキラータイトルがあるわけでもありませんし、スペック押しマーケティングでは起爆剤とはならないでしょう。友達がプレイしている「KNACK」を眺めた所で、4万5万(※1)をポンと出す人もなかなかおりません。 ファミコン黎明期に端を発するゲームコンソール機というものは今や――まるで人類文明が迎えるであろう近未来様相であるかの様に――進化の袋小路に入りかけていると言って良いでしょう。 機能やスペックに関しては、今後10年20年、それこそまだまだ鰻登りに邁進していく事でしょうが、ユーザー体験に関してはある程度飽和状態に達していると言えましょう。 例えばグラフィックにしてみても、PS3後期作品群等では既に、もう十分に綺麗なんです。僕らの様に業界へ従事している人間やゲーマーさんならばともかく、一般のホビーユーザーにおいてみれば、これ以上どう進化したところで、「おーー綺麗だ」程度の感想が関の山なんです。 スーファミからプレステの進化は、そりゃあもう誰が見てもそれと判る、大きな進歩でした。カセットからCDというのも大きなインパクトでしたね。 プレステからPS2もなかなかのものです。DVDだって、PS2のおかげで普及した……言っては過言でかもしれませんが、貢献したことは確かでありましょう。 PS2からPS3においては、グラフィックもここまで来たか!感があったかと思います。一般ユーザーから見れば、ゲームグラフィックも頂点まで来たと感じたのではないでしょうか。加えてブルーレイ搭載ですからね。やはり、大きなインパクトがあったかと思います。 さて、PS3からPS4。 あまりインパクトを感じない?そりゃあそうですよね。それまでに見られた様なキャッチーな変化はありません。グラフィックだってそりゃあ綺麗なんだろうけれども、PS3のそれと並べられなければ違いを感じられないタイトルも多いでしょう。ブルーレイ読み込み速度が上がった?そんな事に一喜一憂するホビーユーザーはおりません。 進化が飽和状態……とは言いませんが、インパクトは飽和状態なんです。 ![]() 他のメディアとは違う、PS3、PS4比較 さて、各メディアが色々とまとめているPS3、PS4比較は、それぞれに譲るといたしまして、本BLOGにおきましては本BLOGらしく、開発者目線のお話しをさせて頂きたいと思います。 性能差が大きいのは判りましたが、今現在の本体販売台数は全世界的にみてもまだまだ発展途上であり、この状況でPS4独占コンテンツ(もしくはXBOX-ONEマルチ)を開発する事は、メーカーにとり大変リスキーです。 となれば必然、PS3PS4マルチとなるわけですが、マルチ開発は基本的に、スペックの低いハードへ合せた開発となるわけであり、結果PS4版でもインパクトのある変化を望めません。 トゥームレイダー等のAAAコンテンツが、60FPSで動いてしまうPS4のポテンシャルは確かに存在しているのですが、開発にかかるコストという意味では、散々作り辛いと言われているPS3開発を引きずっている事には変わり在りません。 正直に言えば我々開発側は、PS3での開発には少々辟易しております。 極端に少ないメモリに、特殊極まりないハードウェア構成、使い物にならないGPUを複数のSPEでカバーしながら、おまけにVRAMは別空間。コンパイラの進化まで止まっていますから(VITAの方が先行していますしね)、最新のコーディング技術もPS3だけ特殊対応しなければならず、挙げ句の果てにはブルーレイからのフルインストールも例外的な例を除けば不可能で、ローディング時間削減にも神経をすり減らさなければなりません。(まだまだあるぞ!) いや、良いところも沢山あるハードウェアなのですが、今となってはもう足を引っ張られる事、しなくても良い苦労が多すぎるんですよ。 PS2時代(※2)から続く我々開発側からの積年の悲鳴を、今回SCE、遂に聞き入れてくれました。 PS2、PS3と続いてきたド変態ハードウェア構成(※3)は刷新され、PS4はとうとうなりました。「素直なハードウェア構成」に。 上記「※3」でも書きましたが、ゲーム機を素直なハードウェア構成にするという事は、とてもとても難しい事なんです。 しかしSCEはやってくれました。まさに、血の滲む様な経営努力と言えるでしょう。 この点、スマホプラットフォーム側も是非とも見習うべき点でありましょう。(※4) ![]() PS4で何が起こる? PS4は、我々開発者にとってみれば圧倒的にゲームを作り易いハードウェアです。 死にものぐるいでメンテナンスしていたPS3事情は緩和され、特殊対応に奪われまくっていた長大な時間が返ってきます。 (例えば、このメモリ量でSKYRIMを動かしているだなんて、もう開発者達に同情してしまうくらいですよ) ゲーム本編の面白さやクォリティを追求する為に、本来割かなければならなかった時間を確保する事も出来る様になるでしょう。 QA(品質保証)に割かなければならない時間にも変化が起きるでしょうし、開発開始からある程度動くものになるまでの時間も圧倒的に速くなる事でしょう。(エンジンの有無、どちらにおいてもです) これはつまり、良質なゲームが短いスパンで登場し続けるいう事を示唆していると言っても良いでしょう。 単純に開発が楽になるというだけの話ではありませんし、考えなければならない事は寧ろ増えておりますが、アーキテクチャ(ゲーム機の構成)がシンプルになる事は、開発側だけではなく、結果としてユーザーにも恩恵をもたらします。 開発側の余力が残れば、そこから生み出されるコンテンツは結局、ユーザーに還元されていくわけですね。 これまでの様に、登場と同時にガツンと売れていく様な形ではなく、徐々に浸透していくハードウェアとなる事でしょう。 2年後に今を思いだしてみればきっと、あ、あの頃とは全然変わっているなとユーザー誰しもが思う事でしょう。 なんとも楽しみな時代がやって参りましたね! ![]() ※1 PS4が4~5万という話には直接関係ないですけれど、もっと高い――7万もする――iPhoneが世界にて何千万台ペースでガンガン売れていくというのも凄い話ですよね。そりゃあ、時価総額的な意味でもAppleが帝国化するわけですよね。 ※2 PS2も、まーーーー変態ハードウェアでした。特殊極まりないという意味ではPS3と良い勝負です。 PS2初期時代、テキストエディタを横に2画面並べ同時にスクロールする様に設定し、二人三脚並列実行されるRISCプログラムをパズルの様に書き進め、組み替えながらパフォーマンスを上げていった、楽しく聞こえそうで全く楽しいくない処か、夢の中でまでチューニングを強いられる、「PS2、悪夢のVU並列プログラミング」がトラウマの様になっています。まあ、プログラマとしてみれば純粋に楽しかったんですけどねw ※3 こんな所ではなく、ちゃんとしたBLOGエントリー組んでフォローしたい所ですが、ゲームコンソール機がある程度特殊な構成になる事は致し方ありません。 その時代時代の先端表現を行えるハードウェアを作る事は、PCならば簡単です。秋葉原へ赴き、10万円しない位のそこそこPCを買ってくれば良いのですから。 しかし、同等の、若しくはそれ以上の性能と、PCなんかとは比べものにならない安定性とサービスを載せたハードウェアを、3万だの4万だので作らなければならないとなれば、ゲーム機というものは、どうしたって工夫や特殊な構成の組み合わせで生み出してくしかないのです。 ※4 スマホゲーム関連。 端末バリエーションが複雑怪奇に増殖しいっており、OSの自由奔放な仕様変更ラッシュに翻弄されっぱなしのスマホゲーム開発。PS4がみせた進化とは真逆に進んでいるわけですから、ゲーム、スマホゲームの棲み分けが更に進む事も暗示しているかと思います。あちら側は、これから益々大変でしょう……。 ![]() シリーズ記事まとめ ■Aニュース、ガジェット通信 寄稿記事 「『連載.jp』寄稿「ゲームプログラマが語る「プロ棋士に勝ったAIは、タクシー基本無料化をもたらす?」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ”買わない理由”がもたらす充足感と、開発者達の心理」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る アップデート版に潜む開発者モラルハザード」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ソフトやアプリと携帯ゲーム課金における経済行動学」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る。新しいゲーム機が定期的に生まれる理由」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 楽しさの仕組み ゲームメカニクス」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 3Dテレビとゲームの微妙な関係 その打開策」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 無料アプリのビジネスモデルと舞台裏」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「新発表ラッシュに見るクラウド大航海時代の幕開け」」 ■ゲーム制作初心者さん向け系 ゲームプログラマが語る。なんちゃってリードプログラマにはなるな!ゲーム造りで放棄してはいけない大切な事 ゲームプログラマが語る。今さら聞けないフレームレートに纏わる話。秒間60?16ミリ? ゲームプログラマが語る。「浮動小数点」と商業レベルで上手に付き合う方法 「ゲームプログラマが語る。ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「クォータービュー入門」」 「ゲームプログラマが語る。「正しい乱数」が彩る確率世界とエンターテイメント」 「iPhoneアプリ、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「線分と円の交差」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「2Dベクトル」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタを一つ」 ■「プロのゲームプログラマとして、ゲーム製作に関する書評を」シリーズ ゲームプログラマが語る書評:「MMORPGゲームサーバープログラミング」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームエンジン・アーキテクチャ」を読んでみた ■個人でも出来る、マルチプラットフォーム開発関連 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その4」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その3」 「iPhoneアプリ作者が語る。マルチプラットフォーム化その2・アトミック型定義のススメ」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その1」 ■リリースしました系 「PASTEL-ORBIT/TeamDyquemアプリ第19弾。ローグライク決定版「隣人は魔王」をリリースしました。」 「TeamDyquemアプリ第18段。ご当地バトルRTS「埼玉クエスト」をリリースしました。近隣の県を滅ぼそう(*-_-*) 埼玉以外でも遊べます #47app」 「アプリ新作「ネコりす マカロン」をリリースしました」 「埼玉県ご当地アプリ、「タッチ the さいたま」をリリースしました #47app」 「アプリ新作「ひよこガーデン」をリリースしました」 「TeamDyquem新作。結構真面目なアクションパズル「ネコりす」リリース」 「iPhoneアプリ作者が、iアプリ「泡リス女子部 for iアプリ」をリリースしました」 「自作iPhoneアプリ改良版、「ネコがゴミのようだネ:アーケード」をリリースしました」 「iPhoneアプリ作者が、「まりも育成」for iモードをリリースしました」 「iPhoneアプリ新作 「ナタ・デ・ネコ」 をリリースしました」 「秋刀魚は関係ないけれど、新作「i-Wishbone」リリース」 「アプリ新作「ネコがゴミのようだ」。プロモ動画をアップしてみた」 「「泡リス 女子部」、販売開始」 「AppBankにまりも紹介記事が!」 「ゲームプログラマとして参加。ご当地47都道府県アプリプロジェクト #47app」 □ビジネス系 「ゲームプログラマが語るドコモiPhoneと、インフラから合法的に大金を抜くスキーム」 「ゲームプログラマが語る。秀丸エディタのビジネスモデル」 ■SFネタ系 「ゲームプログラマがSFを語る。意識はどこからやってきて、死んで、そして何処へ行く?」 「ゲームプログラマが語る。気の遠くなるスキもない程の、宇宙の話」 「iPhoneアプリ作者が語る。流れ星に馳せる真実」 「iPhoneアプリ作者が警笛。どこでもドアの使い過ぎには注意」 「iPhoneアプリ作者が語るSETI理論。異星人さんは何処!?」 ![]() スポンサーサイト
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![]() 漸く終焉を迎えようとしている八月。待望の八月末で御座います。 特に何があるという訳ではありませんが、昨今なにしろ、随分と異常な気象が列島を襲っておりますわけで、悪意あるこの惑星で暮らしを営んでいくというのは筋縄ではまいりません。 暑いは蒸すはゲリラ豪雨だわで、表に出たってろくな事がありませんよ? アロエリーナも裸足で逃げ出しますが、今日も今日とてTeamDyquemで御座います。みなさまこんにちは。 CEDECへ向かう電車車中にて本稿を書いておりますが、今!まさに今!右手を流れる景色の中で、バタバタと激しい豪雨が降り始めました。(ホントに今、降り始めました) もうですね、11月くらいまでは引きこもってゲームでもやっていたいものです。 そう、VITAならね。 もうほんとワケが判りませんが、本題へ。 ![]() 新型VITA このところ、話題へと上る事の多くなった新型VITA。 噂それぞれにおける信憑性については敢えて棚上げしつつ、と言うよりも、知っていても書けませんので、ゲームプログラマ視点として俯瞰で眺めた際の知見を、幾つか展開してみたいと思います。 が、その前に、現行VITAについて徒然と。 そもそも、VITA自体が非常に優れたハードウェアである点は、ある程度周知の事実でありましょう。 タイトルラインナップに恵まれているとはお世辞にも言えず、モンハンに見放されているとか、3DSは十倍出荷台数だとか、色々と不遇が重なっている事実は否めませんが、単体の携帯コンソールとしましては、ゲーム機史上における空前の完成度であると言っても決して過言ではありません。 時代に即した十分な性能を持ち、開発もし易く、プラットフォームホルダーであるソニーも存分に力を入れており、そしてまた、年末に控えたPS4との超連動に向け着々と準備が進んでいる事でありましょう。 価格調整含めたこれからのマーケティングプラン拡充も見渡してみれば、実は、恐るべきポテンシャルを秘めた――まさに孫悟飯的な――英機なのであります。 そんなVITA発売より二年弱。今、このタイミングで新型機を市場投入する理由はそんなに多くありません。 その辺りの考察を踏まえまして、噂になっている各種機能群等へ触れて参りましょう。 ![]() いろいろな噂 ●型番が変わる? PCH-2000であるとか、色々と錯綜しておりますね。 正直、型番が何であろうとも別に大した話ではないのですが、「PCH」の部分ではなく数値部分が更新されてくるのか、それにより解釈は変わります。 PCHに変更が加わるならば、それは、 「21世紀ゲーム業界無かった事にしたかったハードナンバー1」 「もう誰も持っていないどころか覚えてすらいない」 悲しき携帯機、PSP―Go。 新VITAが、 まさかの「PSP―Go枠」 での登場だなんて事になりましたら、それはそれで業界を席巻するかもしれません。違う意味で。 PSP―GoではUMDドライブを廃止したわけですが、VITA―Goでは何を取り払うというのでしょう。カードスロット?? パテでも埋めとけ。 メジャーバージョンチェンジは慎重に。 ●メモリが増える? PSP1000がPSP2000へアップグレードされた際は、32Mから64Mへの搭載量倍化がありましたので、通例に習うならば、新VITAにおいては512Mから1Gへの搭載量増加が見込めると考えられるでしょう。 ただし勿論、ゲームコンソールはパソコンではありませんからね。ほいほいとメモリを増やせば良いというものではありません。 仮にメモリが2倍、4倍と増えたところで、これまでも、これからも、VITA用ゲームにおいて使用出来るメモリは512Mのままです。 こうしなければ、これ以降に登場するゲームが初代VITAでは動作しなくなってしまいますからね。 コンソール機における互換性の維持は、至上命題です。 では、増えたメモリをゲームが使う事も出来ないのに、何故搭載量を増やすのでしょう。 これは、OSが利用するのです。 ゲームそのものは512Mまでの領域しか使用出来ないという、PSP同様の機構を踏襲する事でしょう。その上で、余った512MなりをOSが様々な形で使用します。例えば。 ○マルチタスク化 iPhoneでホームボタンを二度ポチポチと押せば、画面下部からニュッと表れる、「裏で動いているアプリ」(厳密には違うのですが)。 こうした機構をVITAでもスムーズに取り扱う為には、ゲームに占有される512M以外に、OS占有メモリが必要です。 使っていないアプリの情報をこの領域に置いておけば、アプリ間切り替えもストレス無く行える事でしょう。 ○キャッシュ PSPで増えたメモリの主な使用用途でした。 PSPはUMDドライブという物理ディスクメディアでありましたので、その 読み込み速度が色々なゲームにおける足枷となっておりました。 OSが自動的にファイル内容をキャッシュする事で、一部、ロードによるストレスは軽減されていましたね。 VITAに物理ドライブはありませんが、VITAカードからメインメモリへの読み込みだとは言っても、決して無視する事の出来ない時間的コストを要します。 体感速度という意味での恩恵は、PSPに比較すれば小さいやもしれませんが、キャッシュ機能もまたOS管理下メモリの使用用途としては一般的ですからね。搭載されれば、それなりにメリットがあります。 ○自動録画 PS4の目玉機能ですね。 ポチポチソーシャルブラウザゲーとは関係など無い話ですが、昨今のコンソールゲームにおきましては、ソーシャル要素の拡充がトレンドですね。 例えば、プレイ内容を動画にしてSNSへアップ、こうした要望を、OSレベルでサポートしていく流れが一般的になって参りました。 PS4のコントローラーにも搭載される「SHARE」ボタンは、まさにこの布石と言えるでしょう。 例えば、何気なく何かのゲームをプレイ中、 「あああ!今の俺のプレイ最高! 今のアタシのボスの倒し方、美しかった過ぎる!」 と珍妙な高揚感に胸を躍らせる事もあるでしょう。 そんな時、「あああ、今のプレイ動画を録画しておけば、フェイスブックにアップロードして変則リア充テイスト醸し出す事が出来たのにぃ!」と嘆く事もないのです。そう、PS4ならね。 PS4はなんと、直近15分だかのプレイ状況を「自動で、バックグラウンドで」OSが録画します。「今から15分前まで過去に遡った動画が、いつでも取り出せる」。そこから好きな部分を切り取って、SNSへアップ。そんな事が簡単に出来るのです。 こうした素敵機能をVITAでも実現させる為には、やはり、OS管理下のメモリが必要になってくる事でしょう。 他、増えたメモリをOSが利用する為のアイディアは幾らでも在りますが、重要な点は、このどれもが旧VITAとの共存が可能である点です。 旧VITAユーザーへなんら不便を強いらる事なく、新VITAユーザーへはその恩恵を提供出来るのです。 ●画面解像度変更/インチ変更される? さて。 iPhone5では行われた解像度変更。旧アプリとの互換性維持を見事にやってのけた前例であると、「傍目には」見えるでしょう。 しかし、これはあくまでも、各サードパーティによる血の滲む努力の賜です。いまやiOSプラットフォームにおける各種ゲームそれぞれ全てが、独自に、乱立する変態解像度群その全てに画面構成を考えなければならないという、腐りきった開発スタイルが強制されています。 (ほんと、ジョブス氏の居ないアップルは終わってます) VITAがこんな事をしてくるでしょうか? 仮にそれが在るのだとしても、新しく増えた画面領域は、いつだってOSのものであるべきでしょう。ゲームに解放したその時から、各メーカーにおける画面構成コストは跳ね上がるのです。 解像度ではなく、画面サイズだけが大きくなるという所謂3DSLL方式ならば、何の問題も在りませんけれどもね。 ●クロックが上がる!? PSPが、その登場時にはクロック222MHz駆動を上限と定めながら、ある時点より333Mhz駆動を解放したあの時と同じ様に、新VITAにおいて、現行機超クロック駆動の仕組みを搭載する可能性について考察してみましょう。 メモリ事案等と同様に互換性維持問題が最大の障壁ではありますが、この点、PSP後期ではなんと互換性を破棄するソフトが多数生まれています。 「初期型PSPでの動作は保証外」こう宣言するソフトが生まれ始め、また、SCEもこれを許容し始めたのです。 この時期のVITAでこんな事が起こるとは考え辛いところでありますが、こうした変移への布石というものは、往々にしてひっそりと仕組まれるものでありますからね。 もしもVITAバージョンアップ項目の中にクロック系が在るとするならば、それは将来、現行VITAを切り捨てるプランがあるという事に他なりません。 進化に痛みはつきものですし、だからと言って現行VITAが今すぐ使い物にならなくなるという訳ではありませんが、これからVITAの購入を検討している方には、判断材料の一つとなりましょう。 ![]() まとめ 色々と錯綜する噂群をいくら弄くり回してみたところで、確証が得られるというわけでもないのですけれども、火のない所へ水煙。どれも、そう信憑性に欠くというわけでもなさそうです。 最終的に出荷される新VITAが、どんな変化を遂げているのか、そもそもいつ出るんだという点含め、答えはまだまだ判りません。 しかしながら。 これらの噂にもある程度の信憑性があるものと仮定し、考察を踏まえてみれば、どうやらこれはPS4連携へ向けた布石であると判ります。 多くの機能、多くのバージョンアップ項目がそれを語っている事は明らかでしょう。 この時代。展開されるコンソール機というものは、それまでの様に単体で完結する「据え置き機」とは一線を画していく必要がある事は明白ですが、PS4においても、コンパニオンアプリとの連動等判りやすい形式を皮切りに、様々な変移を見せてくれる事でしょう。 今、VITAにバージョンアップが行われるのならば、このプラン拡充の為であるという以外には、考えられないのです。 PS4+VITA連動。 WiiUの存在意義すら問われかねない大変革は「きっと」、間も無くやってくるでしょう。 なんとも楽しみな時代がやってきましたね! ![]() シリーズ記事まとめ ■Aニュース、ガジェット通信 寄稿記事 「『連載.jp』寄稿「ゲームプログラマが語る「プロ棋士に勝ったAIは、タクシー基本無料化をもたらす?」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ”買わない理由”がもたらす充足感と、開発者達の心理」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る アップデート版に潜む開発者モラルハザード」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ソフトやアプリと携帯ゲーム課金における経済行動学」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る。新しいゲーム機が定期的に生まれる理由」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 楽しさの仕組み ゲームメカニクス」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 3Dテレビとゲームの微妙な関係 その打開策」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 無料アプリのビジネスモデルと舞台裏」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「新発表ラッシュに見るクラウド大航海時代の幕開け」」 ■ゲーム制作初心者さん向け系 ゲームプログラマが語る。なんちゃってリードプログラマにはなるな!ゲーム造りで放棄してはいけない大切な事 ゲームプログラマが語る。今さら聞けないフレームレートに纏わる話。秒間60?16ミリ? ゲームプログラマが語る。「浮動小数点」と商業レベルで上手に付き合う方法 「ゲームプログラマが語る。ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「クォータービュー入門」」 「ゲームプログラマが語る。「正しい乱数」が彩る確率世界とエンターテイメント」 「iPhoneアプリ、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「線分と円の交差」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「2Dベクトル」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタを一つ」 ■「プロのゲームプログラマとして、ゲーム製作に関する書評を」シリーズ ゲームプログラマが語る書評:「MMORPGゲームサーバープログラミング」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームエンジン・アーキテクチャ」を読んでみた ■個人でも出来る、マルチプラットフォーム開発関連 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その4」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その3」 「iPhoneアプリ作者が語る。マルチプラットフォーム化その2・アトミック型定義のススメ」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その1」 ■リリースしました系 「PASTEL-ORBIT/TeamDyquemアプリ第19弾。ローグライク決定版「隣人は魔王」をリリースしました。」 「TeamDyquemアプリ第18段。ご当地バトルRTS「埼玉クエスト」をリリースしました。近隣の県を滅ぼそう(*-_-*) 埼玉以外でも遊べます #47app」 「アプリ新作「ネコりす マカロン」をリリースしました」 「埼玉県ご当地アプリ、「タッチ the さいたま」をリリースしました #47app」 「アプリ新作「ひよこガーデン」をリリースしました」 「TeamDyquem新作。結構真面目なアクションパズル「ネコりす」リリース」 「iPhoneアプリ作者が、iアプリ「泡リス女子部 for iアプリ」をリリースしました」 「自作iPhoneアプリ改良版、「ネコがゴミのようだネ:アーケード」をリリースしました」 「iPhoneアプリ作者が、「まりも育成」for iモードをリリースしました」 「iPhoneアプリ新作 「ナタ・デ・ネコ」 をリリースしました」 「秋刀魚は関係ないけれど、新作「i-Wishbone」リリース」 「アプリ新作「ネコがゴミのようだ」。プロモ動画をアップしてみた」 「「泡リス 女子部」、販売開始」 「AppBankにまりも紹介記事が!」 「ゲームプログラマとして参加。ご当地47都道府県アプリプロジェクト #47app」 □ビジネス系 「ゲームプログラマが語るドコモiPhoneと、インフラから合法的に大金を抜くスキーム」 「ゲームプログラマが語る。秀丸エディタのビジネスモデル」 ■SFネタ系 「ゲームプログラマがSFを語る。意識はどこからやってきて、死んで、そして何処へ行く?」 「ゲームプログラマが語る。気の遠くなるスキもない程の、宇宙の話」 「iPhoneアプリ作者が語る。流れ星に馳せる真実」 「iPhoneアプリ作者が警笛。どこでもドアの使い過ぎには注意」 「iPhoneアプリ作者が語るSETI理論。異星人さんは何処!?」 ![]() |
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![]() 愛車のエンジン警告灯が点灯し、固定資産税は値上がりし、ミニロト1等を一桁違いで取り逃す。そんな毎日を繰り返しているともう、なんだこの中途半端でネタにもし辛い不幸ぷりはと取り乱し、なんかこうもっとガツンとパンチの効いた不幸は無いのか貴様らと憤慨し始める。 自虐ネタが枯渇するという状態を残念に感じ始めたら、僕はもうダメな気が。 心のデバッグが捗らないTeamDyquemで御座います。皆様こんばんは。 さてさて。 ![]() 閃光のようにその概要が発表され、業界を沸かせた期待の新星PS4。PS3の登場より、実に七年もの歳月を経て放たれる、正真正銘次世代機。シルエットや詳細については伏せられていながらも、高い性能の一端を垣間見せてくれました。 今後、早ければ年末にも発売されるであろうそのXデイへ向け、数々の情報が公開されていく事でしょうが、現時点における材料を用いながら、このマシンを俯瞰で眺めてみる事にしましょう。 まず、何よりも衝撃的であった点は、メモリの搭載量でありましょう。なんと、8GB(ギガバイト)です。 8GBというのは、8192MB(メガバイト)の事でありますが、PS3やXBOX360で512MB。PS2では32MBでありますから、その大きさはまさに桁違いですね。 CPUやメモリ帯域も、比較にならないスペックです。 PS4に搭載される8コアCPU。これは、同時に8個の処理を行えるという意味ですあります。メモリ帯域は転送速度に直結。GPUと呼ばれるグラフィックを司るチップも、16機のユニットを積んでいる大変な高スペックっぷり。 こうして、CPUが良くなったりメモリが増えると、どんな恩恵が得られるのでしょう。 簡単に表現するならば、メモリとはキッチンの広さです。 CPUコアの数は、まんま調理人の人数と言えましょう。 GPUは、出来た料理を盛りつける人です。 PS2では高校生が一人で幕の内弁当を盛りつけていました。 PS3では専門学生が8人で同時にとりかかっていました。立派な会席料理です。 PS4では、広々としたキッチンを一流シェフがのびのびと使いながら、エリート官僚16人がかりで盛りつけフル稼働。 まるで宮廷料理のようなゴージャスさなのです。 なんとも食欲をそそる盛りつけなのです。 ![]() パソコン並? さて。 よく言われているのは、これではまるで現代のWindows搭載パソコンそのものじゃないかという意見。 確かに、PS4は現代のWindowsパソコンに匹敵するポテンシャルを備えています。現時点における平均的なパソコンと比較しても、結構な高スペックですからね。 誤解を恐れずに、強いて現代PC換算するならば、今、秋葉原で98000円位で売られている、ゲーム向けミドルPCと良い勝負という所ではないでしょうか。 PS2、PS3、XBOXやWiiどれを見ても、これまでのゲーム機というものは全て、専用設計専用ロジックのゲーム特化マシンでありました。これにより、PCと比較すれば考えられないような低価格でありながら、その時代時代におけるPCに匹敵する様な能力を発揮してきたのです。 しかし、今回はまさにPCそのものでありますからね。 この選択の恩恵はなんでしょう。 ![]() マルチプラットフォーム開発時代 ゲーム開発を行う為にはその機種専用の開発機材が必要となりますが、一般に、こうした機材というものは大変に高価であり、使用方法は非常に特異。その特性を考えれば仕方の無い所でもあるのですが、基本的には使い易いとは言えず、遅く、重く、壊れやすい奇怪なハードウェアです。 こうした機材を使用して馬鹿正直に開発をしていては効率が悪すぎる、そう気づき始めた技術者達はPS3開発初期時代、早い所ならばPS2の頃から、なんとか出来る限り機材に依存しない、機材レス開発が行えないものかと模索を始めます。 最も優れている環境は、Windows下での開発と実行である点は業界通例なのですが、それもその筈。Windowsで開発し、そのままその画面上でゲームを確認出来るならば、こんなに手間いらずな事はありませんからね。 Windows上で動作するプログラムを、ほぼそのまま、PS3やPS4でも動作させる事が出来る様に、プログラムの根幹部分を設計する技術。これを、マルチプラットフォーム開発等と呼び、昨今、大抵のメーカーは自社製のマルチプラットフォーム機構を準備しています。 PS4は、本来のポテンシャルが非常にPCライクであるが為に、こうしたマルチ開発を大変に築きやすいハードウェアであると言えるでしょう。 これはつまり、開発のし易さへそのまま直結しています。 開発効率が上がるという事は開発コストが下がり、開発工程が短縮されるという事でもあり、その削減された費用と時間を、ゲーム造りへ、ゲームの面白さを追求する行程へと転換する事も可能となるのです。 ![]() PS4なら、簡単に高クオリティ? PCライクで開発がし易く、強力な機能により技術者へ過度の工夫を求める事なく、高クオリティの面白いゲームが生み出せるかと言えば……。 勿論、そんな事はありません。 ありませんが、PS3やXBOX360の様に、空前の奇怪さを持つ超特殊なハードウェアと比較するならば、ある意味でそれは真でもありましょう。 幾らPS4だからと言っても、幾ら8GBという潤沢なメモリが搭載されているのだとしても、勉強不足の技術者には3Dモデル一つまともなパフォーマンスでレンダリングする事も叶いませんし、広大なメモリを効率的に扱う事も出来ないでしょう。 しかし、ある程度の実績と経験のある技術者にとってみれば、この機械はまさに夢の様なハードウェアであると言えるでしょう。 ![]() XBOXインフィニティは?WiiUは? ちらほらと噂が小出しにされている感もありますが、そろそろ発表されるであろう次世代XBOX。噂ではインフィニティと名付けられるとか、られないとか。 何ら発表すらされていないスペックに関しても、PCライクであるという大方の予想ですね。XBOX自体が元来PCライクではありますし、まあ、PS4に近いスペックであるとして話を進めましょう。 次世代XBOXとPS4双方が近いポテンシャルと近い思想を持っているのだとするならば、コンシューマ系技術者にとり、これ程嬉しい事はありません。 その合理性により節約される膨大な時間のおかげで、来シーズンはゆっくりとホリデーを楽しみながら、ゲーム本質部分の作成に注力する事も可能でしょう。 しかし、残念ながらWiiUは依然として旧タイプであります。 マーケティング戦略においてWiiUを含んだ形においてのマルチ開発が採択された場合には、該当ラインのプログラマに関して、ホリデーは半減する事でしょう。 いずれにせよ、今年は久しぶりの新機種ラッシュ。 我々と、そしてユーザーを取り巻くコンシューマゲーム環境は一歩、PS3等が登場した七年前と比較すれば更に大きな一歩をまた、躍進する事になるでしょう。 何とも楽しみな時代がやって参りましたね! ![]() シリーズ記事まとめ ■Aニュース、ガジェット通信 寄稿記事 「『連載.jp』寄稿「ゲームプログラマが語る「プロ棋士に勝ったAIは、タクシー基本無料化をもたらす?」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ”買わない理由”がもたらす充足感と、開発者達の心理」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る アップデート版に潜む開発者モラルハザード」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ソフトやアプリと携帯ゲーム課金における経済行動学」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る。新しいゲーム機が定期的に生まれる理由」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 楽しさの仕組み ゲームメカニクス」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 3Dテレビとゲームの微妙な関係 その打開策」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 無料アプリのビジネスモデルと舞台裏」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「新発表ラッシュに見るクラウド大航海時代の幕開け」」 ■ゲーム制作初心者さん向け系 ゲームプログラマが語る。なんちゃってリードプログラマにはなるな!ゲーム造りで放棄してはいけない大切な事 ゲームプログラマが語る。今さら聞けないフレームレートに纏わる話。秒間60?16ミリ? ゲームプログラマが語る。「浮動小数点」と商業レベルで上手に付き合う方法 「ゲームプログラマが語る。ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「クォータービュー入門」」 「ゲームプログラマが語る。「正しい乱数」が彩る確率世界とエンターテイメント」 「iPhoneアプリ、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「線分と円の交差」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「2Dベクトル」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタを一つ」 ■「プロのゲームプログラマとして、ゲーム製作に関する書評を」シリーズ ゲームプログラマが語る書評:「MMORPGゲームサーバープログラミング」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームエンジン・アーキテクチャ」を読んでみた ■個人でも出来る、マルチプラットフォーム開発関連 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その4」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その3」 「iPhoneアプリ作者が語る。マルチプラットフォーム化その2・アトミック型定義のススメ」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その1」 ■リリースしました系 「PASTEL-ORBIT/TeamDyquemアプリ第19弾。ローグライク決定版「隣人は魔王」をリリースしました。」 「TeamDyquemアプリ第18段。ご当地バトルRTS「埼玉クエスト」をリリースしました。近隣の県を滅ぼそう(*-_-*) 埼玉以外でも遊べます #47app」 「アプリ新作「ネコりす マカロン」をリリースしました」 「埼玉県ご当地アプリ、「タッチ the さいたま」をリリースしました #47app」 「アプリ新作「ひよこガーデン」をリリースしました」 「TeamDyquem新作。結構真面目なアクションパズル「ネコりす」リリース」 「iPhoneアプリ作者が、iアプリ「泡リス女子部 for iアプリ」をリリースしました」 「自作iPhoneアプリ改良版、「ネコがゴミのようだネ:アーケード」をリリースしました」 「iPhoneアプリ作者が、「まりも育成」for iモードをリリースしました」 「iPhoneアプリ新作 「ナタ・デ・ネコ」 をリリースしました」 「秋刀魚は関係ないけれど、新作「i-Wishbone」リリース」 「アプリ新作「ネコがゴミのようだ」。プロモ動画をアップしてみた」 「「泡リス 女子部」、販売開始」 「AppBankにまりも紹介記事が!」 「ゲームプログラマとして参加。ご当地47都道府県アプリプロジェクト #47app」 □ビジネス系 「ゲームプログラマが語るドコモiPhoneと、インフラから合法的に大金を抜くスキーム」 「ゲームプログラマが語る。秀丸エディタのビジネスモデル」 ■SFネタ系 「ゲームプログラマがSFを語る。意識はどこからやってきて、死んで、そして何処へ行く?」 「ゲームプログラマが語る。気の遠くなるスキもない程の、宇宙の話」 「iPhoneアプリ作者が語る。流れ星に馳せる真実」 「iPhoneアプリ作者が警笛。どこでもドアの使い過ぎには注意」 「iPhoneアプリ作者が語るSETI理論。異星人さんは何処!?」 ![]()
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![]() 小春日和に背中を押される新社会人の皆様こんにちは。春の嵐にやられっぱなしのTeamDyquemで御座います。 今回のエントリー、久しぶりのガッツリ技術ネタで御座います。 まあ、プログラミング直球ではありませんが、今が旬のハードウェアネタとでもいいましょうか。 今回は、ガジェット通信さんへの寄稿にしようか迷ったところなのですが、そこまで一般大衆向けの記事でも無いのかなとも思い、結構一生懸命書きは致しましたが、本ブログ内にてひっそりと咲いてもらう形が宜しいかなと判断しました。 プレステ4に関わらず、ここ数年のゲーム機に関する、実に現場的なネタを盛り込んでみましたよ。 というワケで皆様、はりきってどうぞ。 ![]() このところ、急速に話題として上がる事の多くなったプレステ4のうわさ話達。様々な憶測が飛び交っており、こんな機能が付くのであろうか、こんな外観になるのであろうかと、楽しい期待が良い意味で錯綜し、その登場が待たれている事のよく判る、微笑ましい出来事であると言えましょう。 しかしここで、一業界人という立場から敢えて、誤解を恐れずにバッサリとした知見を提供させて頂きたく、本エントリーを組んでいる次第であります。 かくある荒唐無稽なそれら噂は、言ってみれば魑魅魍魎であり、大きな信憑性を見出せない部分も大きい。ブルーレイドライブ廃止であったり、PC用で10万円近いGPU三枚差し相当の性能であるなど、検討し思考実験を楽しむにはどうにも現実味を帯びてはこないおとぎ話に、思い切ってマジレスしてみようといった趣向、いや寧ろ酒肴です。 まあ、ブログネタとしてはなんとも力を発揮してくれそうな、”美味しい”素材と言えましょう。 ![]() 受け継がれた思想。PS3のポテンシャル どういう名称になるかどうかはともあれ、いつかは必ず登場するであろうPS4でありますが、問題はその時期でありましょう。 これがもしも10年後だというのであれば、PS3の互換機能は恐らく搭載される事でしょう。今現在においては技術的に困難であると言える様々な課題は、人類の英知と、10年という十分な時間が解決してくれる筈だからです。その10年でどの様な驚くべき技術革新が、どの様なスケジュールで起こるのかについては割愛致します。適当な事言ってるだけですから。 しかし、現実に次世代機は遠からず登場する事になるでしょう。恐らくそれは、あと3年も4年も先の話では無い様に思います。 と、なれば。 具体的な問題となり得る懸念材料を挙げるとするならば、それはまずPS3と比較した際の性能差。ゲームの面白さというものは勿論、ゲーム機の処理性能に比例するものでは無い旨、一ゲームプログラマとして常日頃肝に銘じておりますが、ここは便宜上、性能至上論を展開する旨留意頂ければと思います。 言わずもがな。PS3とは、シンプルに言って非常にピーキーなマシンであります。 XBox360やWii等は逆に大変素直な設計であり、それでいて性能も十分に高く、開発環境も工夫されており、言ってみれば多少不慣れな開発者でもその性能の十分に高い部分を、比較的早期に発揮する事が可能です。反面、ある程度以上の部分をチューニングで極めていこうとしても、限界性能を突破し辛く、一定のクォリティー以上を求めるならば、労力に対し結果の見返りが小さくなる傾向が見られます。 一方のPS3と言えば、PS2時代より受け継ぐ特異極まるそのアーキテクチャ故、世間に登場した初動から中盤にかけてこそ、そのポテンシャルを生かし切れる開発者が現れ辛い反面、理解が浸透する中後期においては、限界性能を突破した怪物マシンへと変貌を遂げるタイプのゲーム機であると言えましょう。 この事は、ゲームの生産性に直結する問題でもありますが、それはまた別のお話。 いずれにせよ、PS3の持つポテンシャルというものは至極強大である点をまずは踏まえなければなりません。 ![]() 任天堂が選択する新機種展開法 新機種において上位互換性を持たせる為の方法論は幾つかありますが、バージョン1.5方式とでも言いましょうか、任天堂が得意とする展開が挙げられますね。これは、例えばGameCubeからWii、DSから3DS等の様に、その基本アーキテクチャには殆ど手を入れず、局所的なパーツバージョンアップを計り、そこへ新しい遊びを追加して”新機種”とする手法です。 この展開によるメリットは大きく、ハードウェアの開発費を抑え、また、基本的に同一ハードウェアのバージョンアップであります故既存のソフトウェア資産を生かし易く、ついでに上位互換までもが半自動的に実現出来てしまいます。 反面、ユーザーへその機種が大きな技術革新を遂げたという印象を抱かせ辛いというデメリットもありますが、任天堂はその都度、Wiiリモコンや、裸眼立体視等、斬新な新しい遊びを追加する事で、これらのデメリットを寧ろチャンスに変えてきたと言えるでしょう。 冷蔵庫に眠る昨夜のすき焼き材料と鮭の残りで、アレンジパエリアをこしらえるオカンの様な、芸術的低コスト手法なのであります。 さて、ソニー陣営がこうした手法を取ってくる可能性はあるでしょうか。 少なくとも、彼らはこれまでに一度もこうした思想の新機種を投入してきた事は無く、その都度、莫大な開発費用をかけ大幅な技術革新を遂げた、文字通り”新製品”を展開してきました。 ![]() 未来のマシン。夢のマシン。PS3互換性を持てる程のマシンとは? PS3の持つポテンシャルは非常に大きなものである事は疑いようもありませんが、その登場当初、そのPS3を持ってしても、PS2の互換性維持にはPS2用のエモーションエンジンチップを載せなければ実現する事が出来なかった歴史的事実が存在しています。 任天堂とは異なる方針としてアーキテクチャを変えた上で、更に上位互換性を持たせるという事は、これはもう並大抵の事ではありません。PS2互換でもまともには行っていない現状、その対象が今度はPS3となるのです。 一体、こんな事が可能となるモンスターマシンとはどんなものでしょう。 結論から言えば、Cellが抱える6機のSPUに加え、PPUとGPUをリアルタイムに且つ現実的な速度でエミュレーションする事など現代の科学では不可能であり、であれば実際のCellを搭載する以外に選択肢はあり得ません。(厳密に言えばSPUは8機です) 「Play Station 4 発売! 価格.com 最安値9万円!」 こんな選択をすれば、 こんな未来が目に見える様ですが、 こんな事には成り得ませんね。 まあ、仮に本気でCellを載せるとなれば、恐らくはPS3.5の様なハードウェアにならざるを得ないでありましょうから、ここまでの激しいコスト展開を選択することは無いでしょうが、しかしそれはまさしく任天堂の得意としてきた手法。しかも任天堂には”あそび”という、持って生まれた強力な武器が備えられています。 新しいPS4が、その”あそび”の部分において、Wiiリモコンや裸眼立体視を遙かに凌ぐセンセーショナルで且つ新しいアイディアを搭載する事が出来なければ、中途半端極まりもなく、それこそ本当に”PS3.5”の様な機種となってしまう事となり、それは、”プレイステーション”ブランドの崩壊というシナリオすら招きかねません。 Cellの持つ並列重視型アーキテクチャによる性能追求には技術者の負担が非常に大きい事もある程度周知の事実であり、この点に関しては、先導すべき立場であるSCE側技術者もすっかりとうんざりしている事でありましょう。SCE側の人間である彼等においてすら、IBMや東芝との政治的産物であるこの難物Cellチップを、もういい加減に見限りたいと思っているのでは無いでしょうか。少なくとも同じ技術者として僕は、(いささかの同情を込めた上で)その様に確信しています。 Cellが、如何にして政治的に生み出されたのか、その経緯につきましては、改めてエントリーを組んでみたいと思います。 これが今度は、PS2の頃の様に内部並列動作する「Cell with VU2」みたいなこれまたトンがった謎のチップでも登場し、PS2を経験したことのある技術者ならば昔懐かしい悪しき記憶、2列を平行同時プログラミングしていた悪夢を蘇えらせざるを得ません。しかも今度はそれが最低でも6機載っているわけですしね。そんな機種が現実のものとなってしまったら、世界のゲームプログラマの中から、多数のお花畑ファイターを生み出す事になるでしょう。もはやこれは、労災であると言えますね。 こうした現状から推察するに、昨今噂されている例に漏れず、僕個人としましてもPS4が再びCell系列チップで構成されるとは考え辛い所であると断定せざるを得ません。 ![]() 無限不可能性ドライブ理論 ”銀河ヒッチハイクガイド”で恒星間航行を現実のものとしていたSF的な理論でも用いなければ、せめて十年位はPS3をソフトウェアエミュレーションする事など科学的に不可能であり、もしも現実にそれを可能とするならばCell同等品か、もしくはPS3そのものを内包するしか道はなく、しかしCellとの決別が色濃いと言われる現状、これはまさに無限不可能性理論。 つまり、PS4にPS3互換機能が搭載される事など、あり得ないのです。 たぶん、ですけれどね。 もしも、実際に発売された商品に、あっさりとチャッカリPS3互換機能が載っていたその暁にはテヘペロ。 うん。やっぱりこれは、ガジェット通信向きの記事ではないですね…。 技術オタク全開で良ければこっち系ももう少し充実させて行きますので、お便りお待ちしております^^; TeamDyquemでした。 ![]() シリーズ記事まとめ ■Aニュース、ガジェット通信 寄稿記事 「『連載.jp』寄稿「ゲームプログラマが語る「プロ棋士に勝ったAIは、タクシー基本無料化をもたらす?」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ”買わない理由”がもたらす充足感と、開発者達の心理」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る アップデート版に潜む開発者モラルハザード」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ソフトやアプリと携帯ゲーム課金における経済行動学」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る。新しいゲーム機が定期的に生まれる理由」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 楽しさの仕組み ゲームメカニクス」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 3Dテレビとゲームの微妙な関係 その打開策」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 無料アプリのビジネスモデルと舞台裏」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「新発表ラッシュに見るクラウド大航海時代の幕開け」」 ■ゲーム制作初心者さん向け系 ゲームプログラマが語る。なんちゃってリードプログラマにはなるな!ゲーム造りで放棄してはいけない大切な事 ゲームプログラマが語る。今さら聞けないフレームレートに纏わる話。秒間60?16ミリ? ゲームプログラマが語る。「浮動小数点」と商業レベルで上手に付き合う方法 「ゲームプログラマが語る。ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「クォータービュー入門」」 「ゲームプログラマが語る。「正しい乱数」が彩る確率世界とエンターテイメント」 「iPhoneアプリ、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「線分と円の交差」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「2Dベクトル」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタを一つ」 ■「プロのゲームプログラマとして、ゲーム製作に関する書評を」シリーズ ゲームプログラマが語る書評:「MMORPGゲームサーバープログラミング」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームエンジン・アーキテクチャ」を読んでみた ■個人でも出来る、マルチプラットフォーム開発関連 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その4」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その3」 「iPhoneアプリ作者が語る。マルチプラットフォーム化その2・アトミック型定義のススメ」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その1」 ■リリースしました系 「PASTEL-ORBIT/TeamDyquemアプリ第19弾。ローグライク決定版「隣人は魔王」をリリースしました。」 「TeamDyquemアプリ第18段。ご当地バトルRTS「埼玉クエスト」をリリースしました。近隣の県を滅ぼそう(*-_-*) 埼玉以外でも遊べます #47app」 「アプリ新作「ネコりす マカロン」をリリースしました」 「埼玉県ご当地アプリ、「タッチ the さいたま」をリリースしました #47app」 「アプリ新作「ひよこガーデン」をリリースしました」 「TeamDyquem新作。結構真面目なアクションパズル「ネコりす」リリース」 「iPhoneアプリ作者が、iアプリ「泡リス女子部 for iアプリ」をリリースしました」 「自作iPhoneアプリ改良版、「ネコがゴミのようだネ:アーケード」をリリースしました」 「iPhoneアプリ作者が、「まりも育成」for iモードをリリースしました」 「iPhoneアプリ新作 「ナタ・デ・ネコ」 をリリースしました」 「秋刀魚は関係ないけれど、新作「i-Wishbone」リリース」 「アプリ新作「ネコがゴミのようだ」。プロモ動画をアップしてみた」 「「泡リス 女子部」、販売開始」 「AppBankにまりも紹介記事が!」 「ゲームプログラマとして参加。ご当地47都道府県アプリプロジェクト #47app」 □ビジネス系 「ゲームプログラマが語るドコモiPhoneと、インフラから合法的に大金を抜くスキーム」 「ゲームプログラマが語る。秀丸エディタのビジネスモデル」 ■SFネタ系 「ゲームプログラマがSFを語る。意識はどこからやってきて、死んで、そして何処へ行く?」 「ゲームプログラマが語る。気の遠くなるスキもない程の、宇宙の話」 「iPhoneアプリ作者が語る。流れ星に馳せる真実」 「iPhoneアプリ作者が警笛。どこでもドアの使い過ぎには注意」 「iPhoneアプリ作者が語るSETI理論。異星人さんは何処!?」 ![]()
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