
右を見ても左を見ても、交互に見ても、なんだかんだでモンハンモンハンと元気の良かった桜前線の様なブームもひっそりとなりを潜め、今ではまたおとなしい読書の日々が舞い戻って参りましたとスカすのは一切やめて、はい、寝ても覚めてもゲームは楽しんでいます。
最近、後輩に妙に驚かれました。 いい年こいてというのも変ですが、意外にも結構ゲームやっているんですねと。
いい年こいてとはどういうわけだこの腐れ後輩そのうちおまえなんかおまえなんかおまえなんか餃子みたいに、、と取り乱したのは一瞬でしたが、あれ、、意外とゲームやっていない様に思われている様で不思議でありました。
やってますYO。職業に関する事ですからね! 寧ろ、一般の人よりも遙かにやっている方だと自負してますYO
好きなRPGにはついつい夜更かしをしてしまうゲーム好きの皆様こんばんは。 それが結局商売になってしまったTeamDyquemで御座います。
さてさて。

ここ2ヶ月程の間でありましょうか。
根源的な発信元に関してはその真偽がハッキリとしませんし、その端々にゴシップ的な様相を呈してはおりますが、イチゲーム業界人として無視することなかなかに叶わない噂が妙に周囲を賑わせている様ですね。 業界仲間幾人より、かなり近いタイミングにて似た話を耳にする様になりました。
今回のエントリーは、がっつりとゴシップネタで走り抜けてみたいと思います。

それが本当ならばここ数年では最大のニュースになるであろうゲーム業界大ショックネタ。 あるハードウェアメーカーによる、コンシューマ撤退。
完全に別々のチャンネルより入ってくる割には、それぞれ妙にそれっぽい情報なので、どうせネット発端がらみであろうとたかをくくり下調べは試みたのですが、表に出ているものでもなさそうで。 となるとさてさて、これは単なる噂話であると切り捨てる前に、起こり得るシナリオについて考えてみました。
まずは場外からの攻勢を試みてみたいと思いますが、初手Apple陣営。厳密に言えば彼らはコンシューマに切り込んできているわけでは無いと言えるであろうし、仮に現在のiPhone等をコンシューマであると表現してみたとして、それを今年で撤退させる事などあり得ないでしょう。 Androidもまた然り。ガラケーソーシャル須くこの枠組みとすべきでありましょう。
では、任天堂? Wii-Uがあれほど鮮明に打ち出されている事を差し引いても、このメーカーがコンシューマから撤退してどうする、と激しい突っ込みが目に浮かびます。それはもはや産業の崩壊、、とまでは言いませんが、これもまた考え辛く考えるに忍びない展開でありましょう。
さて、となれば。 ソニーか、マイクロソフトか。
発売したばかりのPSVITA不振が、一般ユーザーの耳にすら届きかねない昨今。PSP-GOについても明るいニュースは皆無でありますし、もはや存在自体すら無かったことにされている機種でありますが、ヒット機PSPも海賊版横行に悩まされ、PSNハッキングによる大損失も耳に新しい。モンハンに支えられている面もあるとは言え、それすらも国内400万本程度のみでは、プラットフォームホルダーとしては十分に堅牢な城壁であるとも言い難い。
では、XBox360日本展開に激しい苦戦を強いられているマイクロソフトは如何であろうか。 まず、とかく勘違いされやすい事実として、XBox360の日本展開不振はマイクロソフトにとっての大きな痛手とは成り得ていない点が挙げられましょう。これは、彼らの持つ巨大な分母から導き出される必然であり、本意では無いでしょうが致命傷でもありません。全世界的には絶好調のXBox360。噂の後継機「Loop」の開発も順調であるとの認識が通例でもありますし、課題は残しながらも、撤退のシナリオは考えづらい様に思います。
しかし。
僕は、この撤退話が真実であるとするならば、 その主人公はまさにマイクロソフトであると予想します。
根拠は、単純な消去法です。 コンシューマ撤退という事は、つまり部門消滅です。 上記に挙げた3社のいずれがそれを行うにしたとしても、現在に至るまで費やされた時間と資産を消滅させるとなれば、これ程の大きな会社達でもその母体に極めて深刻なダメージを与える事が想像に易しいわけですが、大きく身動きの遅いこうした巨大な企業程、単純部門切り捨て等を安易に敢行するわけもなく、またその様な事が出来る筈もなく、損失を分散させた上で段階的に損金縮小運用に体をなした方向転換を選択せざるを得ません。 ピピンアットマークの発売中止とはワケが違います。
さて、段階的撤退というネガティブな選択肢ではなく、コンシューマ撤退をポジティブな要素と捕らえた場合はどうでしょうか。コンシューマ機という単独ハードウェアを、毎回毎回心血資金を注ぎ込み、文字通り痛みを伴いながら運用するよりも、新しい形を模索するのだとすれば。
単独ハードウェアを持たずに、それでもブランドを維持運用拡大展開していけるメーカー。
今現在、それが可能なのは、世界にマイクロソフトしか有り得ません。

さて、では、その具体的なベクトルとは何でしょう。 単純です。
次期WindowsへXBoxコンテンツプレイヤーを搭載するというシナリオですね。
個人的に、これは相当に現実的なラインだと思います。
プログラマの方ならば判るかと思いますが、技術的には今すぐにでも十二分に実現可能です。XBox360の持つDirectXと銘打った機能は、言ってみればDirectXでも何でも無い単に名前の似た似て非なるものである事は現実でありますが、とは言っても、そこには希望の無くなる程の距離が隔てられているわけでもありません。
ソフトウェア的なインフラの敷設にも難儀する事は無いでしょう。どこまで掘り下げたところで結局はWindowsですからね。どこまで対抗してみたところで、結局は彼らのやりたい放題でありましょう。世界のソフトウェアインフラは未だ彼らが握っているのです。 Appleの持つAppStore系マーケットも、数年後には駄菓子屋扱いされているかもしれません。
恐らくはWindowsストアのリリースタイミング。つまりWindows8かそのサービスパック辺りで、ストアにXBoxコンテンツが載り始めるのではないでしょうか。ここから段階的に、単独ハードウェアであるXBox360系や、その後継機Loopの持つコンシューママーケットも縮小されていく様に思います。
こうした一連のシナリオをもって、マイクロソフトによる段階的なコンシューマ撤退という一見するとネガティブな枕詞を手土産に、「新しいゲームマーケットの幕開け」等といった本当の武器を乱射してくるのではないでしょうか。

さて、もしこれが真実となってしまった場合、ソニーや任天堂に打つ手はあるのでしょうか。 業界へ半生以上を費やしている自分ではありますが、パッと思いつく術は……

シリーズ記事まとめ
■Aニュース、ガジェット通信 寄稿記事
「『連載.jp』寄稿「ゲームプログラマが語る「プロ棋士に勝ったAIは、タクシー基本無料化をもたらす?」」」
「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ”買わない理由”がもたらす充足感と、開発者達の心理」」」
「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る アップデート版に潜む開発者モラルハザード」」
「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ソフトやアプリと携帯ゲーム課金における経済行動学」」
「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る。新しいゲーム機が定期的に生まれる理由」」
「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 楽しさの仕組み ゲームメカニクス」」
「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 3Dテレビとゲームの微妙な関係 その打開策」」
「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 無料アプリのビジネスモデルと舞台裏」」
「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「新発表ラッシュに見るクラウド大航海時代の幕開け」」
■ゲーム制作初心者さん向け系
ゲームプログラマが語る。なんちゃってリードプログラマにはなるな!ゲーム造りで放棄してはいけない大切な事
ゲームプログラマが語る。今さら聞けないフレームレートに纏わる話。秒間60?16ミリ?
ゲームプログラマが語る。「浮動小数点」と商業レベルで上手に付き合う方法
「ゲームプログラマが語る。ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「クォータービュー入門」」
「ゲームプログラマが語る。「正しい乱数」が彩る確率世界とエンターテイメント」
「iPhoneアプリ、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「線分と円の交差」」
「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「2Dベクトル」」
「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタを一つ」
■「プロのゲームプログラマとして、ゲーム製作に関する書評を」シリーズ
ゲームプログラマが語る書評:「MMORPGゲームサーバープログラミング」を読んでみた
ゲームプログラマが語る書評:「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」を読んでみた
ゲームプログラマが語る書評:「ゲームエンジン・アーキテクチャ」を読んでみた
■個人でも出来る、マルチプラットフォーム開発関連
「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その4」
「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その3」
「iPhoneアプリ作者が語る。マルチプラットフォーム化その2・アトミック型定義のススメ」
「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その1」
■リリースしました系
「PASTEL-ORBIT/TeamDyquemアプリ第19弾。ローグライク決定版「隣人は魔王」をリリースしました。」
「TeamDyquemアプリ第18段。ご当地バトルRTS「埼玉クエスト」をリリースしました。近隣の県を滅ぼそう(*-_-*) 埼玉以外でも遊べます #47app」
「アプリ新作「ネコりす マカロン」をリリースしました」
「埼玉県ご当地アプリ、「タッチ the さいたま」をリリースしました #47app」
「アプリ新作「ひよこガーデン」をリリースしました」
「TeamDyquem新作。結構真面目なアクションパズル「ネコりす」リリース」
「iPhoneアプリ作者が、iアプリ「泡リス女子部 for iアプリ」をリリースしました」
「自作iPhoneアプリ改良版、「ネコがゴミのようだネ:アーケード」をリリースしました」
「iPhoneアプリ作者が、「まりも育成」for iモードをリリースしました」
「iPhoneアプリ新作 「ナタ・デ・ネコ」 をリリースしました」
「秋刀魚は関係ないけれど、新作「i-Wishbone」リリース」
「アプリ新作「ネコがゴミのようだ」。プロモ動画をアップしてみた」
「「泡リス 女子部」、販売開始」
「AppBankにまりも紹介記事が!」
「ゲームプログラマとして参加。ご当地47都道府県アプリプロジェクト #47app」
□ビジネス系
「ゲームプログラマが語るドコモiPhoneと、インフラから合法的に大金を抜くスキーム」
「ゲームプログラマが語る。秀丸エディタのビジネスモデル」
■SFネタ系
「ゲームプログラマがSFを語る。意識はどこからやってきて、死んで、そして何処へ行く?」
「ゲームプログラマが語る。気の遠くなるスキもない程の、宇宙の話」
「iPhoneアプリ作者が語る。流れ星に馳せる真実」
「iPhoneアプリ作者が警笛。どこでもドアの使い過ぎには注意」
「iPhoneアプリ作者が語るSETI理論。異星人さんは何処!?」
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