![]() パステル オービット |
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ゲームプログラマが語る。「○を押せ」「×を押せ」? 割とガチでQTEをディスってみる
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![]() スマホでご覧頂いている皆様。本エントリーは、PC版サイトでの閲覧を是非、推奨致しますm(_ _)m 人恋しさに苛まれ、今日も今日とてゲーム三昧的な幸せ感を醸し出しながら、ここのところ、手を出すゲームが全てが色々と特殊な感じ。。 まるで、神経が鰹節のように削り出されているTeamDyquemで御座います。 それなりに色々なゲームに手を出してはみながらも、時折、楽しさが憎しみにジョブチェンジしている皆様、こんばんは。 それは、僕の事でした。すみません。 DQ7、おまえの事だw いやしかし。 最近購入致しました「大神 絶景版」、こちらは大変楽しく堪能させて頂いております。 まあそれはともあれ、「大神」と言えば……? ![]() ゲームに載せるべきでは無い要素は数々ありますが、一般的に認知されているであろう代表例を幾つか挙げてみるならば、次の様なものが当てはまるのでは無いでしょうか。 スキップ出来ない長尺ムービー? セーブスロットが一つ? 有限コンティニュー? いやいや。QTEでしょ。 QTEとは。 デモ中やムービー中、画面に表示されるコマンド「○」や「×」等を上手に入力出来るか否かによって、その後の展開が分岐するというもの。いわゆる「クイック・タイム・イベント」の略ですね。 悪名高いバイオのQTE そもそもの大前提として、娯楽としてのゲームというものは須く、遊んでいて楽しいものでなければなりません。 敵の攻撃をかいくぐり、敵を倒すことが出来て……と、その様に当たり前の要素をただ漠然と制作していても、決して楽しい作品に仕上がる事のないゲームでありますが、これは、ある程度実証された根拠に基づいた理論の上に成り立つ、至極当然の事象です。 ゲームの面白さとは、昇華されたゲームメカニクスという理論の上に構築されて初めて産み出されるものであるからです。 こちらの話題に関しましての詳細は、以前のエントリー 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 楽しさの仕組み ゲームメカニクス」」 上記も、併せてご覧頂けましたら光栄です。 ![]() そうした、ゲームの楽しさを追求するための理論へ、相反する立ち位置にある要素が、QTEだと僕個人は考えています。誤解を恐れずに極論を展開させて頂くならば、正直、その存在自体が害悪であるとすら思っています。 この、QTE。何が一体、僕をこうまで激昂させているのでありましょう。 大凡の通例と致しまして、QTEが行われる背景には、デモやそれに類する物が再生されている事でしょう。そしてやはり大抵の場合には、何の前触れも無く、また、そのシーンに対する一片の描写的な説得力すら携える事もなく、それは突然現れます。 ![]() 画像、もっかい使ったった この時、初見ユーザーの脳内においてはまず何よりも、この事態に対する困惑が巻き起こっている事でしょう。なにしろ、それまではただデモを鑑賞していただけなのですから。それは、美麗なデモムービーであったかもしれません。感動的なシーンの後において、エキサイティングな展開を予感させる、なんとも心躍る一シーンであったかもしれません。 しかし、ユーザーのそんな心理にはお構いなしに、突然、――大抵は、その制作チームにおける残念なディレクターの一存により実装された――QTEはカットインで乱入してきます。 現代のゲームユーザーならばまあ大抵、突然現れたその横柄な強制イベント、「○ボタンを押せ」的な思慮の欠片も感じられないその御題を、まあそれなりにこなしてしまう事でしょう。 ――慣れている――そう、言えるのやもしれません。 それまでに感じていた楽しさや、エキサイティングに高揚した気持ちを無慈悲に中断され、その御題に従って○ボタンを――やむを得ず――押す事でしょう。 別にですね……、 「ああ! これはいつ○ボタンを押せと言われるやもしれないぞ! ああ、これは気が抜けないぞ! これはハラハラドキドキするぞ!」 等と、考えているわけではありません。 あくまでも、やむを得ず、面倒くさいけれど押さなければ仕方が無いから、○ボタンを押すのです。 こんな仕組みの存在に、何一つ心躍る要素など存在してはおりません。ゲームメカニクスや楽しさの理論などお構い無しですからね。 こんなものを起案する愉快で困ったディレクターへ、僕はいつだって、苦言を呈せずにはいられないのです。ユーザーへは勿論、作っているチームにすら悲しさの旋風を巻き起こす、残念な残念な要素なのですから。 ![]() 殆どのパターンにおいて、その存在自体に何も意味が無いどころか、ユーザーにとっては寧ろ害悪であると、僕個人はそう確信すらしているQTEでありますが、実際にはもう少し細かい幾つかのパターンに分類する事が可能です。 中には、効果的に機能している作例もありますが、まあ、併せて比較してみましょう。 ボーナス加算系 まず、格闘ゲーム等によく見られるパターンですが、なにか必殺技の様な特殊なアクションを繰り出した際に発動するQTEで、その入力結果によって与えるダメージが変化する等といった効果の現れるパターン。 これは、「まだマシなQTE」です。 まあ、あくまでも付加要素に留まっている感がありますが、美麗なデモを見ている最中に、思考を中断される罪に変りはありません 拡張ページ送り系 「ああ、このままでは爆弾が作動してしまう!○ボタン連打で、爆弾を解除するんだ!」 そう御題が出されはするものの、○ボタン連打に時間制限やノルマは無く、失敗してゲームオーバーになったりする事もなく、単に、一定以上の連打が確認されればシーンが進むというもの。 これは、「まあ微笑ましいよねQTE」です。 これを、QTE等という汚染されたジャンルに仕分けする事は、やや憚られるかもしれませんね。個人的に、この手の演出ならば寧ろ楽しむ事が出来ます。 ストーリー分岐系 デモの最中に、「○か×を押して、ストーリー選択!」と題され、その結果によって進行が変化するタイプ。 たっぷりと余裕をもった設定の時間制限切れも選択肢の一つで、それぞれに描写的な意味があり、どの選択肢にも極端なネガティブ要素が設定されていないならば。 これは、「エキサイティングなQTE」です。 FF13-2の序盤では、効果的に運用されていましたね。 これほど、心に余裕を持った状態で楽しめたQTEはありませんでした。 さて。 クリアしないと進めない系 失敗すると即ゲームオーバーであり、そのチャレンジを避けて通る事も出来ないケース。 これが、「最も禍々しいQTE」です。 敢えて作品名を挙げ断罪する様な事はしませんが、ちょっと思い出してみるだけでも、結構な数のタイトルにおいて採用されていますね。 ゲーム本編はとても秀逸で楽しいにも関わらず、何故か要所要所に極悪QTEが配置されている作品も多く見られ、開発チームの悲しさが伝わってくると同時に、残念で愉快なディレクターがまだ業界に跋扈している現実を嘆くばかりです。 ![]() アンバランスなQTEが無理矢理載せられているであろう殆どの作品では、こんなチープな要素になんぞ頼らなくたって、充分に魅力在るコンテンツでありました。 多くの現場の人間は――特にプログラマは――こんな仕組みを作らなければならない事に大きな悲しみを感じている事でしょう。 大抵は、要素の水増し感の為であったり、単に自分がプレイ慣れしてしまっている事に気が付いてすらいない浅はかなディレクターの「なんか単調じゃね?」の一言で実装が決定される極悪QTE。 面白くないものは、面白くないのです。 全国の現場の皆さん。心血を注いだ作品が汚されてしまわない様、勇気を持って立ち向かって参りましょう。 ![]() 最後に。 「ドラゴンズレア」さんや、「タイムギャル」さんをディスっているエントリーでは御座いません。 古き良きレーザーディスクゲーム、昔よくやったなー。 すぐ死んでたけど。
![]() シリーズ記事まとめ ■Aニュース、ガジェット通信 寄稿記事 「『連載.jp』寄稿「ゲームプログラマが語る「プロ棋士に勝ったAIは、タクシー基本無料化をもたらす?」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ”買わない理由”がもたらす充足感と、開発者達の心理」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る アップデート版に潜む開発者モラルハザード」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ソフトやアプリと携帯ゲーム課金における経済行動学」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る。新しいゲーム機が定期的に生まれる理由」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 楽しさの仕組み ゲームメカニクス」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 3Dテレビとゲームの微妙な関係 その打開策」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 無料アプリのビジネスモデルと舞台裏」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「新発表ラッシュに見るクラウド大航海時代の幕開け」」 ■ゲーム制作初心者さん向け系 ゲームプログラマが語る。なんちゃってリードプログラマにはなるな!ゲーム造りで放棄してはいけない大切な事 ゲームプログラマが語る。今さら聞けないフレームレートに纏わる話。秒間60?16ミリ? ゲームプログラマが語る。「浮動小数点」と商業レベルで上手に付き合う方法 「ゲームプログラマが語る。ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「クォータービュー入門」」 「ゲームプログラマが語る。「正しい乱数」が彩る確率世界とエンターテイメント」 「iPhoneアプリ、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「線分と円の交差」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「2Dベクトル」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタを一つ」 ■「プロのゲームプログラマとして、ゲーム製作に関する書評を」シリーズ ゲームプログラマが語る書評:「MMORPGゲームサーバープログラミング」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームエンジン・アーキテクチャ」を読んでみた ■個人でも出来る、マルチプラットフォーム開発関連 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その4」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その3」 「iPhoneアプリ作者が語る。マルチプラットフォーム化その2・アトミック型定義のススメ」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その1」 ■リリースしました系 「PASTEL-ORBIT/TeamDyquemアプリ第19弾。ローグライク決定版「隣人は魔王」をリリースしました。」 「TeamDyquemアプリ第18段。ご当地バトルRTS「埼玉クエスト」をリリースしました。近隣の県を滅ぼそう(*-_-*) 埼玉以外でも遊べます #47app」 「アプリ新作「ネコりす マカロン」をリリースしました」 「埼玉県ご当地アプリ、「タッチ the さいたま」をリリースしました #47app」 「アプリ新作「ひよこガーデン」をリリースしました」 「TeamDyquem新作。結構真面目なアクションパズル「ネコりす」リリース」 「iPhoneアプリ作者が、iアプリ「泡リス女子部 for iアプリ」をリリースしました」 「自作iPhoneアプリ改良版、「ネコがゴミのようだネ:アーケード」をリリースしました」 「iPhoneアプリ作者が、「まりも育成」for iモードをリリースしました」 「iPhoneアプリ新作 「ナタ・デ・ネコ」 をリリースしました」 「秋刀魚は関係ないけれど、新作「i-Wishbone」リリース」 「アプリ新作「ネコがゴミのようだ」。プロモ動画をアップしてみた」 「「泡リス 女子部」、販売開始」 「AppBankにまりも紹介記事が!」 「ゲームプログラマとして参加。ご当地47都道府県アプリプロジェクト #47app」 □ビジネス系 「ゲームプログラマが語るドコモiPhoneと、インフラから合法的に大金を抜くスキーム」 「ゲームプログラマが語る。秀丸エディタのビジネスモデル」 ■SFネタ系 「ゲームプログラマがSFを語る。意識はどこからやってきて、死んで、そして何処へ行く?」 「ゲームプログラマが語る。気の遠くなるスキもない程の、宇宙の話」 「iPhoneアプリ作者が語る。流れ星に馳せる真実」 「iPhoneアプリ作者が警笛。どこでもドアの使い過ぎには注意」 「iPhoneアプリ作者が語るSETI理論。異星人さんは何処!?」 ![]()
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