![]() パステル オービット |
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ゲームプログラマがSFを語る。意識はどこからやってきて、死んで、そして何処へ行く?
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![]() 大雪によって、土日の予定を軒並み全カットされた有閑空白な二日間。 あんまりヒマなんで、SFについて熟々と考えてみました。 吹雪の中、ほんの少し外出したら瞬殺気味に傘をぶっ壊されたTeamDyquemで御座います。みなさま、こんばんは。 たまには良いですね。大雪。 久しぶりのSFシリーズで御座います。 勢いで書き殴りましたが、相当痛々しい感じが予想されますのでNO推敲で参ります! ![]() 「SF」 本ブログにおきましては何度も公言しておりますが、ワタクシ、御幼少の砌より、大変SF好きであらせられました。あらせられたんです。 特に海外作家系SF小説が大好物でありまして、二十代の頃などはそりゃあもう、寝ても覚めても読みまくっておりましたよ。 宇宙モノ、異星人モノ、タイムマシンモノから、量子論モノだの人工知能モノだのまあ、ありとあらゆる系統なんでも大好きであります。 どのジャンルもみなストーリー仕立てに富み易く、ハラハラドキドキとはまた違い、こう、心にじんわりと来る面白さを秘めておりますね。 中でも、故アーサー・C・クラークや故ジェームス・P・ホーガン等の作品はとても読みやすいので、これからSFを始める方にはおすすめです。 大御所作家らの悲報が続いてしまったSF界ではありますが、個人的に大ファンであるグレッグ・イーガン氏が絶好調で、彼の生み出す世界観にまた、どっぷりと再ハマリする最近。 彼は所謂、「超」ハードコアSF作家でありまして、その作品には読解難易度の非常に高いものが多く、正直僕個人、作品としての意図をまんべんなく読み取れているとはお世辞にも言えませんが、粛々と読み進めるにはうってつけのハードっぷり。 さて、彼の作品には。 ![]() 「「意識、精神」はどこから生まれるの?系」 グレッグ・イーガン氏十八番のカテゴリーといたしまして、生物、特に人間(等の)知的生命体に宿る「意識、精神」というものが、科学的にどういった経緯で発生し定着するのか、という題材が御座います。 このジャンルでは、SF界一般的にある種共通した「解」が存在していて、そのルールから大きく外れるものではありません。 要するに、物質というものを科学的にどんどんどんどんと細かく分析して行くとやがて、原子や電子等と呼ばれる物理的な最小単位に到達します。その更に向こう側へ量子力学的な――シュレーディンガーの猫的な――人類には解明出来ていない更なる物理法則はあるでしょうけれども、そうしたものの「相互関係や、相互作用」を「正直に」、コンピューター上で演算していく事が出来れば、コンピューター内部においてある種の仮想物理的空間を築く事が可能です。 これは勿論、現在のテクノロジーでも理論的には十分に可能でありますが、その規模という意味では到底実現出来るものではありません。 例えば、今、秋葉原で20万円位で売られている結構高性能のPCを、それこそ100億台とかのオーダーで完全並列に動作させる事が出来れば、現実空間の5立方メートル位をシミュレート出来るとか、そういうレベルでしょう。 ともあれ、コンピューター上で、現実の塩基配列を模写し人工シークエンシングする事は、理論上、十分に可能です。 ![]() 「なら、コンピューター上で「脳」の塩基配列を組んでみると?」 それならばですね、コンピューター上にそれを再現する事は出来るのでしょうか。 人の脳は、およそ1000億とも言われる細胞で構成されており、その細胞も、水やタンパク質、核酸や炭水化物、脂質などの有機物、その他若干の無機物から構成されている(そうです)ね。 それらも更に分解していけば、原子や原子核にまで分割されていきますので、コンピューター上で演算を行う最小単位もここまで落とす必要があります。 ともあれ、コンピューター上でこれらの相互作用を正確に計算していき、とにもかくにも、「人の脳」というレベルまで演算を積み重ね、「現実の人の脳」の中で行われる、生体電気信号による全ての神経活動を模写したその時、そこに、「意識」は生まれるのでしょうか? SF界では、「そこに、意識は生まれる」として、数々の作品が生み出されています。僕個人も、「ホントに生まれる」と確信しています。 (しかし、そのレベルの完全並列演算と、正しい脳組織塩基配列とその詳細な動作を模写する為の、正確な演算行程の全てを解明するまでには、まだまだたっぷり千年位はかかるんじゃないかと思いますが……) でも、まあ、ですね。 自然界により自然に生み出されている生命の神秘達も、蓋を開けてみれば其処には、種や仕掛けが必ず存在していて、その手法を科学的にとことんまで煮詰めていけば、自然の行える事はそれがどんな事であろうとも、人の手で必ず模写出来る、と、僕はそう確信しています。 (これは、この宇宙には「魔法」や「奇跡」は存在していないというSF的理論でありますが、かといって、有神論者の方々を否定しているわけではありませんよ?) ![]() 「意識は何処からやってきて、死は何処へ繋がっているの?」 人は皆、死ぬと無になる。 そう解釈する事はとても簡単ですが、SF的に言えばこれは、単なる思考停止です。芸がありませんね。 現実世界でも、コンピューター上のシミュレーションでもとにかく、この世界に存在する物質群、原子や原子核、電子等ですね、これらをある一定の法則に従って並べると、それは細胞や細胞群になり、それらを一定の法則に従って並べると今度は例えば、血や肉になり、生体を構成する器官になり、また、脳になるわけです。 ここまではOKですね? つきつめれば生物はみな、もともと自然界にあるものを寄せ集め、決められた配列通りにくっつけているだけ、と言えましょう。 宇宙が定めた設計図に従ってそれらが並べられると、そこには意識が発生するという厳然たる事実がまず存在しています。これはつまり、宇宙自身が定めた物理法則ですね。 そしてそれら、つまり、我々人体を構成している細胞群や原子核達はどれも、元々はこの宇宙に存在している部品であり、言ってみれば、宇宙の一部です。 地球上に何十億と存在する人々も、動物も、地球以外にも沢山存在しているであろう全宇宙的規模に拡散している未知の意識達はどれもみな、同様に宇宙自身の一部です。 言い換えればこれは、宇宙自身や宇宙の一部が、多種の生命となる事によって永い永い時を生きているとも言えるかと思います。 そう考えてみると、「意識」というものは、宇宙の見ている夢、大いなる夢の一部だと言えるでしょう。 僕達が見たり聞いたり感じたりしている事はつまり、宇宙の一部がそうしている事と同義であり、僕達の意識は結局、宇宙という大きな意識の欠片であるとも言えるかと思います。 はい、そこ。付いてきてますか? モノっすごく宗教的な感じになっていますが、いえいえ。これは純然たる科学理論ですよ。 宇宙のほんの一部を材料とする事で、そこへ生じている我々の意識はどれも、決められた配列に基づくと必ず生まれる科学的産物であると同時に、宇宙というシステムに組み込まれた一つのモジュールです。 それはまるで本当に、宇宙という「大きな何か」が見ている夢の一部の様でありますが、大いなる夢は、遙かな過去から遠い未来まで、この世に存在している全ての生命が共同作業で紡ぐ夢です。 ![]() 「「死」というシステム」 さて、宇宙が意識を生み出すシステムにの上において、大変に重要な機能である「死」という概念でありますが、これらは儚いもの……なのでしょうか? 天文学の見地からすれば至極当然でありますが、ビッグバン理論に基づくならば、それがどんなに途方もないものであろうとも、宇宙は有限世界です。 今ここで「宇宙の果ての壁の向こう」議論を展開するつもりはありませんが(長くなりますからねw)、ビッグバン、ないしそれを裏付ける天文学的観測結果がある以上、理論的に、宇宙は有限世界であるという以外の形では有り得ません。 有限の世界に生じるものは必然、それもまた有限であるわけですので、「生命、意識」もまた同様に有限であると考える事は自然な発想であると思います。 そうなると、宇宙からしてみれば、物質も意識も限られた資源でありますからね。 肉体が死ねば意識はまた消えてしまいますけれども、これは、その夢を見ていない状態へ戻る、と、その様に定義する事が出来るでしょう。 意識とは、何処からやってきて、そして何処へ行くのかは判りませんけれど、「貴方」とはつまり、遠い過去で夢をみていた意識が再び目覚めている状態であり、貴方が死んでしまっても今度は、また遠い未来、宇宙の何処かで再び夢を見始める事でしょう。 「意識、精神」と「記憶」は全く何の関係も無い様な気はしていますが、そうではないかもしれません。 貴方の人格がまた遠い未来に、宇宙の何処かで再覚醒するという事では無いと個人的には想っていますが、そうではないかもしれません。 意識という資源もやはり有限であると想っておりますので、だとすれば、貴方も貴方も、再び夢の続きを見始める時がやってくるかもしれません。 そう考えると、この世界って良く出来ていますよね。 ![]() 雪景色を眺めながら、温かいお茶をすすり、痛い妄想に想いを馳せる時間のなんと至福な事か。 #全部雪のせいだ こうした話にご興味がありましたら、以前のエントリーも併せてご覧頂けましたら光栄です。 ■SFネタ系 「ゲームプログラマが語る。気の遠くなるスキもない程の、宇宙の話」 「iPhoneアプリ作者が語る。流れ星に馳せる真実」 「iPhoneアプリ作者が警笛。どこでもドアの使い過ぎには注意」 「iPhoneアプリ作者が語るSETI理論。異星人さんは何処!?」
![]() シリーズ記事まとめ ■Aニュース、ガジェット通信 寄稿記事 「『連載.jp』寄稿「ゲームプログラマが語る「プロ棋士に勝ったAIは、タクシー基本無料化をもたらす?」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ”買わない理由”がもたらす充足感と、開発者達の心理」」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る アップデート版に潜む開発者モラルハザード」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る ソフトやアプリと携帯ゲーム課金における経済行動学」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る。新しいゲーム機が定期的に生まれる理由」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 楽しさの仕組み ゲームメカニクス」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 3Dテレビとゲームの微妙な関係 その打開策」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「ゲームプログラマが語る 無料アプリのビジネスモデルと舞台裏」」 「『Aニュース/ガジェット通信』寄稿「新発表ラッシュに見るクラウド大航海時代の幕開け」」 ■ゲーム制作初心者さん向け系 ゲームプログラマが語る。なんちゃってリードプログラマにはなるな!ゲーム造りで放棄してはいけない大切な事 ゲームプログラマが語る。今さら聞けないフレームレートに纏わる話。秒間60?16ミリ? ゲームプログラマが語る。「浮動小数点」と商業レベルで上手に付き合う方法 「ゲームプログラマが語る。ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「クォータービュー入門」」 「ゲームプログラマが語る。「正しい乱数」が彩る確率世界とエンターテイメント」 「iPhoneアプリ、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「線分と円の交差」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタ「2Dベクトル」」 「iPhoneアプリ作者より、ゲーム制作初心者の方へ小ネタを一つ」 ■「プロのゲームプログラマとして、ゲーム製作に関する書評を」シリーズ ゲームプログラマが語る書評:「MMORPGゲームサーバープログラミング」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」を読んでみた ゲームプログラマが語る書評:「ゲームエンジン・アーキテクチャ」を読んでみた ■個人でも出来る、マルチプラットフォーム開発関連 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その4」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その3」 「iPhoneアプリ作者が語る。マルチプラットフォーム化その2・アトミック型定義のススメ」 「ゲームプログラマが語る。iOSゲームをWinマルチプラットフォーム開発・その1」 ■リリースしました系 「PASTEL-ORBIT/TeamDyquemアプリ第19弾。ローグライク決定版「隣人は魔王」をリリースしました。」 「TeamDyquemアプリ第18段。ご当地バトルRTS「埼玉クエスト」をリリースしました。近隣の県を滅ぼそう(*-_-*) 埼玉以外でも遊べます #47app」 「アプリ新作「ネコりす マカロン」をリリースしました」 「埼玉県ご当地アプリ、「タッチ the さいたま」をリリースしました #47app」 「アプリ新作「ひよこガーデン」をリリースしました」 「TeamDyquem新作。結構真面目なアクションパズル「ネコりす」リリース」 「iPhoneアプリ作者が、iアプリ「泡リス女子部 for iアプリ」をリリースしました」 「自作iPhoneアプリ改良版、「ネコがゴミのようだネ:アーケード」をリリースしました」 「iPhoneアプリ作者が、「まりも育成」for iモードをリリースしました」 「iPhoneアプリ新作 「ナタ・デ・ネコ」 をリリースしました」 「秋刀魚は関係ないけれど、新作「i-Wishbone」リリース」 「アプリ新作「ネコがゴミのようだ」。プロモ動画をアップしてみた」 「「泡リス 女子部」、販売開始」 「AppBankにまりも紹介記事が!」 「ゲームプログラマとして参加。ご当地47都道府県アプリプロジェクト #47app」 □ビジネス系 「ゲームプログラマが語るドコモiPhoneと、インフラから合法的に大金を抜くスキーム」 「ゲームプログラマが語る。秀丸エディタのビジネスモデル」 ■SFネタ系 「ゲームプログラマがSFを語る。意識はどこからやってきて、死んで、そして何処へ行く?」 「ゲームプログラマが語る。気の遠くなるスキもない程の、宇宙の話」 「iPhoneアプリ作者が語る。流れ星に馳せる真実」 「iPhoneアプリ作者が警笛。どこでもドアの使い過ぎには注意」 「iPhoneアプリ作者が語るSETI理論。異星人さんは何処!?」 ![]() |
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